もっと甘く ささやいて

「弘子さん、村田さんの連載はずっと続けたいの。これだけは譲れないの。削りたくないの。」

「ええ、わかっているわ。続けて？」

「ジェフの続編は私が考えなくてもいいのではないかしら？」

「留仁、１００％でなくていいってことね？わかったわ。それならジムの要求も満たされると思うわ。脚本を５対５に持っていくわ。」

「弘子さんって飲み込みが早いんですね？」

「それが商売ですもの。任せてね。」

「ありがとうございます。他にも聞いていいですか？」

「私には何でも言っていいのよ？どんなことでも。」

「弘子さんは村田さんのお知り合いですか？」

「ええ、そうよ。だって村田は私の弟で、私は彼の姉ですもの。何か気になった？」

「いえ、村田さんが弘子さんを紹介してくださる時、気が進まないとおっしゃっていたので。」

「んまっ、旬ニのヤツ、そんなことを。少し懲らしめてやるわ。」

「村田さんもお姉さんには頭が上がらないのですね？」

「そうよ、偉そうに編集してるけど、留仁ももっとわがままを言って構わないのよ。」

二人で笑い合った。