もっと甘く   ささやいて
短く刈ったクルーカットに太目の眉、今は閉じている奥二重の犬みたいに可愛らしい目、薄い上唇と、中央に区切りが入ったプルリとした下唇、スッキリとした頬、耳元から続く頑丈そうな首、ガッシリとした肩がブルーのワイシャツの袖につながっていた。

あの腕に抱かれたらどんな感じかしら?

彼はどんな風に私を抱くのかしら?

彼にならどんなに激しくされても許してしまいそう。

あの唇で求められたい。

そっと見つめながらドキドキした。

「村田さん?」呼んでも反応がなかった。

「起きて。」小声で言ってみた。

本当に寝てしまったのかしら?

「愛してる。私の心はあなたのものなの。私を愛して。あなたのものになりたい。」

眠り込んでしまった彼には聞こえてないけれど、目の前にいる彼に伝えたかった。

私の想いは届かない。

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