もっと甘く   ささやいて
「若い作家はわがままで、何度同じことを言っても聞かないばかりか、見当違いもはなはだしい言い訳を当然のことのように言ってくる。私の苦労も考えずにだ。その点、君は素直だ。扱いやすいと言った方が合っているかもしれない。」

「そうですか、私は村田さんにとって楽な人種なのですね?」

「しかし、私をここまで同行させるとは、君の才能、文才というか、あの長編が気に入られた理由を考えるとうなずけるが、未修正のまま投稿してきたのは君だけだ。無謀というしかないな。そこに目をつけたエージェントがいたとは。」

村田さんは静かにワインを飲みながら、私が食べる様子を見ていた。

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