しっとりと   愛されて
γ.ヲタクな趣味
「君には俺の知らない部分がある、違う?」

「私にだって同じことが言えます。」

「プライベートなことに触れられたくないらしいな?」

「・・・・・」

「面白い。君が俺に知られたくない何かを隠し通せるか楽しみだ。」

「私を追い詰めないでください。」

「俺はそこまでしない。君を苦しませたり悲しませたりするわけないだろ?そんな趣味はないよ。」

「私、小物を作るのが好きなの。」

「別に隠すことでもないだろ?」

「高校の時からミニチュアを作っていたの。」

「何も問題あるとは思えないが。」

「デザインスクールの時はフィギュアの模型に凝って、今でも続いているの。」

「模型なら好きなヤツは沢山いるんじゃないのか?」

「ヲタクっぽいでしょ?」

「俺はそうは思わない。手先が器用で羨ましい限りだ。」

「私が作っているものを見たら、変に思うわ、きっと。」

「なぜ?ただの模型だろ?」

< 22 / 60 >

この作品をシェア

pagetop