しっとりと 愛されて

「模型と言ってもいろいろあるわ。孝二さんがイメージしているものとは程遠いものなの。」

「そんなに変なものを作っているのか？俗に言うクリーチャーまがいのもの？」

「いいえ、もっと俗物的なものなの。」

「俺にはこれ以上考えつかないが、何を作ろうと没頭できるものがあるなんて悪いことじゃないだろ？」

「そんな風に言ってもらえて嬉しいけど、実物を見たらもう会ってくれないかもしれないわ。」

「大袈裟だな？」

「変人だと思われちゃうかもしれない。」

「わかった。じゃあ、これから君んちへ行って見せてくれないか？何を見ても変人だなんて思わないよ。それにもう会わないとも言わない。それでどお？」

「でも。」

「俺が君にもう会いたくないなんて言うわけないだろ？何を作っていようと自信を持つべきだ。君のオリジナルなんだろ？」

「ありがとう。少し安心したわ。」

「少し？少しじゃダメだ。では条件をつけよう。」

「条件？何の？」

「俺が君の作品を見ても変だと言わなかったら、セフレじゃなくて俺を君の恋人にしてもらう。もし君のことを少しでもおかしいと言ったら、殴ってもいいよ。これならいいだろ？」