しっとりと   愛されて
ピンポン、とチャイム音がした。

「はい、どちら様ですか?」

「孝二だ。」ドアを開けた。

「孝二さん、どうしたの?こんな遅くに?」

「どうしても今夜会いたかった。」

「何かあったの?」

「いや、何も。」

「何か飲む?」

「いや、何もいらない。車だし。百合乃?」

「何?」

「抱きしめてもいい?」

「断らなくてもいつもしていたじゃない?」

「そうだったな。」

孝二さんは私をしっかり抱きしめて大きく息をした。

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