しっとりと   愛されて
私は仕方なく、休日秘書二人を車に乗せて探し回った。

値段と使い勝手とマーケットへの便を話し合った。

二人の秘書達が良ければ、私はどこでもよかった。

「椿さん、私と光はここがいいと結論を出したわ。」

パンフと実物を見比べ、5件目を回ってやっとこの返事が出た。

「わかりました。契約にまいります。」

私がくたびれているとも知らず、秘書達は後部座席でランチをどこで食べるかしゃべくっていた。

「あのう、香川さん、竹林さん?」

「な~に?」

「私が不動産屋へ行ってきますから、お二人はランチに行かれてください。」

「あら、いいの?」

「はい。午後は荷造りしていただいて、明朝から入れるように手続きを済ませてきますので、あとでまたお電話しますから。」

「悪いわね。じゃ、お願いして、XXモールで降ろしてちょうだい。帰りはタクシーで帰るわ。」

「わかりました。」やれやれ、やっと一人で行動できるわ。

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