しっとりと   愛されて
翌日ホテルから引っ越した。

車は今まで通りレンタカーだ。

広めの3LDKだった。

バルコニーも中庭のような造りで、LDだけで20㎡以上あった。

ランドリーは地下にあるし、キッチンも全て揃っていた。

食事は各自で済ませるルールにした。

但し、毎朝出勤時だけ、私がお二人をオフィスまで同乗させて送った。

この生活がこれから2年以上続くのかと思ったら、投げ出したい気分になるのも当然だった。

そういう時は亡くなった坪井専務の言葉を思い出した。

マーケで実績を積めば、キャリアアップの土台にできると、私は信じた。

仮のオフィスを引き払って、巨大なビルの中に正規のオフィスを構えることになった。

祝賀パーティーには本社から社長以下、各工場長が渡米してきた。

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