しっとりと   愛されて
私はパーティーの裏方だったけれど、マーケの常務は私を社長に引き合わせた。

「社長、彼女は椿百合乃と言います。マーケのトップと言っても過言ではありません。」

「椿くん、君に会いたかった。ここだけの話しだが、私は秘書は置いてきたが、香川秘書と竹林秘書が相手だ。君も疲れるだろう?一時帰国休暇を許可しよう。常務、彼女の希望を聞いておきなさい。」

「わかりました、社長。」常務は驚いていた。

社長が直々に部下の休暇を許可するなど有り得ない。

「椿くん、帰国したら私の秘書に連絡しなさい。君の実績を祝って食事に招待するからね。私との約束は破らないように頼むよ。」

「ありがとうございます。」

常務は私以上に社長の言葉に驚いていた。

何かとんでもないことが起こりそうな気がして、私は社長と常務の背中を見送った。

パーティーは続いていた。

香川女史と竹林秘書は、社長をはさんでおしゃべりに夢中だった。

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