しっとりと   愛されて
「孝二さん、あそこなの?」

「そうだよ、昨夜予約しておいた。」

「素敵な所ね、静かでのんびりできそう。ランチだけでなく泊まれたらよかったわね?」

白い建物はホテルにも見えた。

「そのつもりで予約した。ホテルでなくコテージをね。」

「本当?嬉しい。私たち初めてよね?二人でどこかへ出掛けるなんて。」

「そうだな。」

ランチの前にコテージをのぞいた。

アジアンスタイルで全て籐で統一されていた。

海からの風にカーテンがなびいて波の音が心地良かった。

「なんて素敵なのかしら?今夜は月明かりの下でロマンチックよね?」

「百合乃、まだ昼前だ。今から夜が待ち遠しい?」

「そうじゃなくて、ロマンスを感じてしまうわ。私もう一度孝二さんを愛してしまいそう。」

「それはよかった。俺もたっぷり愛してあげるよ。」

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