しっとりと 愛されて
「ふふ。」
「なーにが可笑しいんだ?」
「孝二さんも本当は帰国したいんでしょ?」
「俺はこの2年、行ったり来たりだったから、そんなに切実には思ってないよ。」
「私は孝二さんのそばにいたいわ。」
「それを聞いてほっとした。仕事の方はこれから考えるつもり?」
「私はもう必要ないと思うの。」
「どこへ行くんだ?」
「キャサリンのデザイン事務所。まだ返事は保留にしているの。」
「君はデザインスクールの出だったな?」
「もう少し考えてみるわ。」
「それなら、取り合えず俺たちはこの先一緒に過ごせるってことだ、君に新しい恋人ができるまでは。」
「何言ってるの?私に新しい恋人が現れるわけないでしょ?」
「それはわからない。君は以前よりずっと魅力的になったからな。金髪碧眼のイケメンが君にクラクラするかもしれない。俺は気苦労が絶えないってことだ。」
「そんな心配無用なのに。」
「それに俺たちは婚約しているわけじゃない。恋愛は自由だ。君が俺ごときに縛られていることはない。」
「どうしてそんな風に突き放すような言い方をするの?」
「俺には勿体ない女だからだ。」
「変なの。私は孝二さんがいいのに。」
「坪井専務は君のことを特別だと言っていた。一度だけ聞いたことがある。その時はどう特別なのかわからなかったが、今なら彼の言った意味がわかる。君は俺にとっても特別なんだ。」
~ 完 ~
「なーにが可笑しいんだ?」
「孝二さんも本当は帰国したいんでしょ?」
「俺はこの2年、行ったり来たりだったから、そんなに切実には思ってないよ。」
「私は孝二さんのそばにいたいわ。」
「それを聞いてほっとした。仕事の方はこれから考えるつもり?」
「私はもう必要ないと思うの。」
「どこへ行くんだ?」
「キャサリンのデザイン事務所。まだ返事は保留にしているの。」
「君はデザインスクールの出だったな?」
「もう少し考えてみるわ。」
「それなら、取り合えず俺たちはこの先一緒に過ごせるってことだ、君に新しい恋人ができるまでは。」
「何言ってるの?私に新しい恋人が現れるわけないでしょ?」
「それはわからない。君は以前よりずっと魅力的になったからな。金髪碧眼のイケメンが君にクラクラするかもしれない。俺は気苦労が絶えないってことだ。」
「そんな心配無用なのに。」
「それに俺たちは婚約しているわけじゃない。恋愛は自由だ。君が俺ごときに縛られていることはない。」
「どうしてそんな風に突き放すような言い方をするの?」
「俺には勿体ない女だからだ。」
「変なの。私は孝二さんがいいのに。」
「坪井専務は君のことを特別だと言っていた。一度だけ聞いたことがある。その時はどう特別なのかわからなかったが、今なら彼の言った意味がわかる。君は俺にとっても特別なんだ。」
~ 完 ~