君のせい
「あぁ......うん」
私はリュックをそのまた後ろの机の上に下すと、
宇崎さんの引いた椅子に座った。
宇崎さんは、自分の席に戻ると、
少し切なそうに俯いた。
「私って、みんなにいい顔したいってとこがあるのかも。
それが、ダメなんだなって思う。
でも、媚びてない。
彼氏以外の人と、二人で会ったこともない。
たぶん、クラスの子たちが見たのは、お兄ちゃんと一緒にいる時だと思う。
だから、違うの。
どうしてわかってもらえないのかなって、
ただ、男子に話しかけられて一言答えただけで、
媚びてることになるのかな......
どうしてあざとい女って言われちゃうのかな......ってすごく辛かった。
ただ唯一の親友だった子にも嫌われて、
友達、だれもいなくなっちゃった。
周りがわかってくれないって、思ってたけど、
今日紺野さんに言われて、自分の行動を振り返って、
周りじゃない、私がいけないんだって思った。
みんなにいい顔したいって気持ちが、いけないんだなって。
紺野さんみたいに、はっきりと自分の意見が言える人になりたいって思ったよ」