君のせい
次の日、土曜日の朝。
「明日、晴れるかな.......」
朝ごはんの片づけをしていたら、
航太が窓の外を眺めながら心配そうに呟いた。
「明日なんかあるの?」
忙しそうに、白衣姿のお母さんが水を飲みながら言った。
「明日ね、姉ちゃんの友達が公園でバスケ教えてくれんの」
「へえ、それはよかったわね」
お母さんは空になったグラスを私に渡した。
「お母さん。私、今日ちょっと駅行ってくるから」
食器を食洗器に並べながらそう言うと、
お母さんは首を傾げた。
「駅でなんか買い物?」
「あぁ.....ちょっと、服見ようと思って」
お母さんは私の顔を見てニヤッと笑った。
「なんで顔真っ赤にしてんの、麻琴。
はぁ.......なるほど。
航太ー、そのお友達って、お兄さん?」
ちょっ!!
「うん!超かっこいい兄ちゃんだよ!めっちゃ背がでかい!」
「へぇ~なるほどね」
お母さんはさらにニヤニヤとしながら私の顔を覗き込んできた。
「べっ、別に深い意味はないんだけど!」
そう言って食洗器のスイッチを押すと、お母さんは笑いながら、
自分のバッグのところに行って財布を出してきた。
「じゃあ、これでお昼ご飯なんか買ってきて。
で、これは洋服代。
かわいい服買ってきなさい。
麻琴はかわいいんだから」