君のせい
お母さんは廊下を歩いて、さっき出てきたドアとは違うドアを開けて、
そこに入って行った。
「おじゃまします」
頭を下げると、「どうぞ」と吉井もぺこっと頭を下げた。
「航太、手洗うぞ」
洗面所で泥だらけの手を洗わせてもらい、
吉井の後ろについて行って、リビングの中に入った。
広いリビングには和室がつながっていて、
その和室を見て、体が凍りついたように動けなくなった。
仏壇...........
綺麗な花
吉井によく似た笑顔の写真
まさか..............
「吉井..........」
和室の手前の壁にあるテレビの前で、
ゲームの準備をしている吉井に声をかけた。
「ん?」
吉井は手を止めて、私の隣りに来た。
「双子のお兄さんって..........
いつ亡くなったの?」