君のせい





目を開け、お兄さんの写真を見つめた。




「似てるだろ」




吉井がそう言うと、航太が「うん」と頷いた。



双子なだけに、本当によく似ている。



「でも類は昔っからすっげー女子にモテて、

おんなじ顔の俺は、そうでもなくてさ」




えっ、そうなの?




吉井もモテるじゃん。


部活見に来ている女子たちが、吉井先輩かっこいい~って言ってたし。



絶対にモテるよ。





「吉井だって、モテてんじゃん」



私が立ち上がると、航太も立ち上がった。




「あのさ、兄ちゃんって姉ちゃんのことどう思ってんの?」



はっ!!!!


「ばかっ!!航太!!何そんなこと!!」




吉井は、あはははっと笑いながら和室を出てゲームのリモコンを航太に渡した。




「航太に教えてやりたいんだけど、


まず姉ちゃんに言ってからな。



ほら、ゲームやるぞ」





< 70 / 88 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop