君のせい
目を開け、お兄さんの写真を見つめた。
「似てるだろ」
吉井がそう言うと、航太が「うん」と頷いた。
双子なだけに、本当によく似ている。
「でも類は昔っからすっげー女子にモテて、
おんなじ顔の俺は、そうでもなくてさ」
えっ、そうなの?
吉井もモテるじゃん。
部活見に来ている女子たちが、吉井先輩かっこいい~って言ってたし。
絶対にモテるよ。
「吉井だって、モテてんじゃん」
私が立ち上がると、航太も立ち上がった。
「あのさ、兄ちゃんって姉ちゃんのことどう思ってんの?」
はっ!!!!
「ばかっ!!航太!!何そんなこと!!」
吉井は、あはははっと笑いながら和室を出てゲームのリモコンを航太に渡した。
「航太に教えてやりたいんだけど、
まず姉ちゃんに言ってからな。
ほら、ゲームやるぞ」