君のせい
吉井が私に一歩近づいたから、
ぐっと下を向いた。
「答え、聞かして」
「答え?」
顔を上げると、吉井が片手で私の頬を優しく撫でてきた。
頬に当てられた吉井の手のひらから、吉井の体温が伝わってきて、
恥ずかしいのか、嬉しいのか、どっちなのかわからない気持ちで、
吉井を見つめた。
「俺の彼女になれよ」
吉井の、彼女に...........
「吉井は私なんかが彼女でいいのかよ」
吉井は頬に手を当てたまま、ふっと笑った。
「お前がいいんだよ」
そんな嬉しいことを言われて、また胸がきゅんと音を立てた。
「途中で違う女のとこに行かれたら私.........
立ち直れないんですけど」
「あはははっ、立ち直れねぇーのかよ。
ていうか、行かねぇーし、違う女のとこなんか」
「だって.......だってさ、吉井はかわいい女が好きじゃん。
付き合ってから、かわいい女に取られたら私..........
怖いんだよ。
不安なんだよ。
自信がないんだよ.........」
自分の想いを吉井にぶちまけたら、
ぐっと引き寄せられて、抱きしめられた。