君のせい
えっ、違う.........
「ばっ、場所とか、そういう問題じゃなくて........
.......恥ずかしいんだよ」
顎を持ち上げている吉井の腕を掴んで、
顔をそらした。
「さっきしたじゃん」
「なっ!!さっきのは、吉井が突然勝手にしたんじゃん!
しかも、まだ付き合ってたわけじゃないのに!」
そっと吉井の腕を離すと、
吉井は壁についていた手を離して、
向き合ったまま優しく私の手を繋いできた。
「もう彼女だろ」
「う.......うん」
「俺の」
「うん」
下を向いたまま、ドキドキしながら吉井の言葉にこくりと頷いた。
「麻琴」
低音の甘い声で名前を呼ばれて、きゅんとしながらゆっくりと顔を上げると、
「ほんとに.......恥ずかしいんだよ」
と、つぶやいた。
恥ずかしすぎて、
どうしたらいいのか、わかんない。
体が熱くて、
胸が苦しくて..........
こんなんでキスなんかされたらもう.........
自分が自分でいられなくなる。
おかしくなってしまう。