君のせい
●好き
意識
次の日
いつもの朝
いつもの通学路
天気は晴れ
いつもと同じじゃないのは、
私の心。
学校に行くということは、吉井に会うということだから、
さっきからドキドキして歩き方もぎこちない。
坂を上って信号を渡り、
まっすぐ学校へと歩いていたら、
キキーッと自転車が目の前で止まった。
「吉井........」
吉井は自転車に乗ったまま、私をちらっと見た。
その瞬間、昨日のことを思い出してしまって、
顔面が一気に熱くなってしまい、
下を向いて、吉井をそのままにして校門へとダッシュした。
恥ずかしい。
恥ずかしすぎる。
どうしよう、意識しすぎて普通でいられない。
走って走って、校門を通り過ぎたところで息切れして走るのをやめて、
ゆっくりと歩いた。
すると後ろからリュックをガシッと掴まれて、
恐る恐る振り向くと、自転車に乗った不機嫌そうな顔の吉井がいた。
「何逃げてんだよ」
「べっ、別に逃げてないし」
吉井はリュックから手を離して自転車から降りた。
そして、私の腕をギュッと掴むと、
「ちょっとこっちこい」と、駐輪場の方へと私をぐいぐい引っ張って行った。