呪いのブレスレット
「うううぅ……ん……」

「小杉っ! 目が覚めたか!?」

彼らの身体を揺さぶっていた翔平が安堵の声を出す。

「俺……」

小杉が起きたと同時に女の子も目を覚まし、辺りを見回しながら身体を起こす。

「翔平、なにやってんだ?」

「は? ふざけんなよ! お前こそもう少しで川に落ちるところだったんだぞ!」

あたしたちにしてみたら、間の抜けた小杉の質問に翔平が怒鳴る。

「ええっ!?」

小杉とサッカー部マネージャーが驚きの声を上げる。

「翔平! 背中に泥が」

昨日の雨で地面が湿っており、立ち上がった2人と翔平の背中が泥だらけ。

薄暗いから一瞬、その泥が血みたいに見えてギクッとなる。

「俺たち……」

小杉とサッカー部マネージャーは目を合わせて、今までなにをしていたのか思い出そうとしている。


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