呪いのブレスレット
「花火が終わってから何も思い出せないわ……」

ぽつり、サッカー部マネージャーが言うと、小杉も頷く。

「お前たち、もしかして合法ドラックなんかやってないよな?」

なにも覚えていない2人が不思議でしょうがない翔平はそんなことを聞いている。

「もちろんそんなのやるわけないだろ!」

小杉は憤慨したように、すごい形相で翔平に怒鳴った。

ひかりの力が凄すぎるんだ……。

あたしが見る悪夢のように、ひかりは人を操ることが出来るのだ。

バイクの少年の事件の犯人もおそらく操られて……。

「小杉、ちょっと聞いていい?」

あたしはひかりの事を聞いてみようと口を開いた。

「なんだよ!」

まだ興奮は継続されているようで、あたしにもきつい言い方。

小杉は汚れたTシャツが不快なのか、何度も振りかえっている。

サッカー部マネージャーはきれいな浴衣や帯に泥が付いてしまい、2重にショックをうけているようだった。

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