呪いのブレスレット
それはひかりの声とは思えないほど低く、まるで男性の声のように聞こえた。

怖い……。

怖くて仕方ないが、聞かなくてはならない。

「ど、どうしてあんなことをするの?」

こわごわと聞いたとたん、あれほど重かった肩がスッと軽くなる。

部屋の空気も変わった感じがして、ガタガタと震える手で電気のスイッチを入れた。

パッと部屋の中が明るくなる。

シーンと静まり返る部屋に、もうひかりの気配はなかった。

邪魔をしたら殺す。

ひかりの警告に震えが止まらない。

あたしを殺すってことだよね?

何があったの?

毎回思う疑問だけど、まだ回答は得られない。

「やっぱり小杉と彼女が知っている。どうにかして聞かなきゃ」

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