呪いのブレスレット
メモとスマホ
「ただいまー」

部活が終わり家に着いて洗面所で手を洗っていると、突然声をかけられてびっくり肩が跳ねる。

「あらやだ。なにをそんなにびっくりしているの?」

ママだった。

神経質になっているみたいだ。

いつもひかりが側にいるような感じがして、落ち着かない。

「と、突然だったからびっくりしたのっ」

濡れた手をタオルで拭きながら言い訳。

「あさってから合宿でしょ? 用意はしてあるの?」

「あ、ちょっと足りないものがある」

まだバッグの中に入れていないけれど、足りないものはいつも同じ。

洗面用具や日焼け止めなんかだ。

「明日買っておくから、メモしておいて」

「はーい」

「早く夕食食べちゃいなさいよ。お味噌汁、温めてね」

「温めてねって、どこか行くの?」

よく見ると、いつもよりおしゃれな服をママは着ている。

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