呪いのブレスレット
「邪魔をするなってことだから、小杉君と彼女の命を彼女はまだ狙っているね」

「彼を好きだったのに……」

「人を何人も殺し、彼女は一番なってはいけない霊になってきている」

拓磨さんは眉根を寄せて真剣な表情で悩んでいるよう。

「一番なってはいけない霊……」

たしかに罪のない人をかまわず憑依し、刑務所送りにしている。

「拓磨さん、あたしはどうしたらいいのでしょうか。ひかりにこれ以上人を殺してほしくないし、彼女がどうしてこんな風になってしまったのか知りたい」

「……彼女と話せるのは君しかいないだろう。だけど、彼女は君が知っていた頃の彼女とは違ってきている。警告している以上、君の命が危なくなるかもしれない」

「本音を言うと、怖いです。でも、このまま放っておいたら……ひかりが2人を殺したら成仏するんでしょうか?」

そう言う自分が怖い。

それは小杉と彼女が殺される前提の話だから。

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