呪いのブレスレット
手を握りながらバスの中へ入ったものだから、男子部員たちの冷やかしをもろ受ける。

翔平は「羨ましかったら彼女作れよ」なんて、しれっと言っている。

座席はあらかじめ決められており、あたしを座らせた翔平は後ろへ行ってしまった。

窓際の席に座っていたみのりが三日月のような目をしてあたしを見る。

「翔平って、堂々として優しいよねー」

「みのりまで冷やかすの?」

「冷やかしてなんていないよー。本当の事じゃん。うらやましいって。あたしも木下君とそうなればいいな~」

花火大会で距離を縮められたようで、この合宿でもっと接近したいらしい。

合宿所に着くまでの約2時間半、みのりの恋バナに付き合い、あっという間に目的地まで到着した。

お昼ご飯は30分後、割り当てられた部屋に入り、着替えや荷物を整理する。

ドアの横に貼り出された名前。

あたしたちは4人部屋だ。

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