呪いのブレスレット
部屋に入ると、3人は着替えている最中で、あたしもラケットバッグからヨネックスのテニスウエアーを取り出し、急いで着替える。

着替え終わった皆は日焼け止めを塗りはじめ、あたしも念入りに塗る。

汗をかくからすぐに取れちゃうんだよね。

ラケットバッグのポケットに日焼け止めのチューブを放り込み、肩から担ぐと部屋を出た。

1階の食堂は100人分の席があり、ハヤシライスとサラダをもらうのにカウンターに並ぶ。

昼食が済むと、炎天下の中きつい練習の始まりだ。



「ボレーボレーねー」

ネットを挟んで並び、相手と地面に落とさないで打ち合う練習から始まった。

先輩と打ち合いながら、身体が思うように動かないことに気づく。

日焼け止めがすぐに落ちてしまうほどの汗。

みんなもそうなのだが、いつもと違うなにかがずっしりのしかかっているように感じる。

まさか、ひかりが?

「あっ!」

ボールが顔の横を通り過ぎていく。

「亜美、集中して!」

「はいっ! すみません!」

ひかりのことは考えないようにし、練習に集中した。

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