呪いのブレスレット
ボブカットの頭から顔の半分に血が流れ、少し首を傾けあたしを見ていた。

その顔はとても寂しそうに見える。

そう思った瞬間、口を大きく開けてニタリと笑った。

「亜美? なに驚いた顔をしているんだよ」

あたしが見ている方向に翔平は視線を向けるけれど、ひかりの姿は見えないらしい。

不気味に笑うひかりからやっとのことで翔平に視線を移す。

「翔平には見えないんだね」

「えっ? 何の――!? もしかして幽霊!?」

翔平が焦った顔になり、あたしは急いで首を振る。

「ち、違うよ」

怖がらせても良くないと思い、否定してからひかりを見るといなくなっていた。

「行こうっ」

翔平はあたしが否定したものの、歩きながらしつこく「幽霊だったんだろう?」「うへっ、こえぇな」なんて言っている。

なんとなく早歩きになって、すぐに合宿所の建物が見えてきた。


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