呪いのブレスレット
そこであたしは歩みをゆっくりにさせる。

「翔平、驚かないで聞いてね?」

「ん? あ、ああ……」

「さっき、ひかりがいたの」

あたしはしっかり翔平を見つめてひかりの名前を口にした。

「ええっ!? ひかりって吉村の事か?」

「うん。3年の女生徒2人、バイク少年の事故、あれはひかりがやったの」

「ちょ、ちょっと状況が読めないんだけど? 最初から話してくれるか?」

合宿までひかりは来ている。なにかが起こりそうで怖い。そのとき、あたしひとりで対処できるかわからない。だから、一番信頼できる翔平に話しておこうと決心したのだ。

あたしたちは立ち止まり、今までのことを早口に説明した。

話し終わると、翔平は「まじか……」ぼそっと呟いてそれから黙り込んでしまった。

< 181 / 216 >

この作品をシェア

pagetop