呪いのブレスレット
「どうしたの?」

「ちょっと頭が痛くなって……」

「頭痛薬もってるけどいる?」

玲奈はゆっくり首を横に振る。

「ううん。大丈夫。そのブレスレットしない方がいいよ。死んだ人が身につけていた物って、念が移っていることもあるっていうから」

「そうかな~でも、ひかりなら大歓迎だよ」

あたし自身、昨日ブレスレットを見たとき嫌な感じを受けたのに、今はそんなことを思っていなく、むしろ大歓迎だと思っていた。

このブレスレットを身につけていたい。

あたしが身につけることでひかりが喜んでくれているような気がしたから。


放課後、窓際の席で午後から降り出した雨をぼんやり見ていた。

そこへ翔平がやってきて、あたしの肩をポンと叩く。

「よっ、部活、校内筋トレだってさ」

「えーっ、筋トレきらいなのに」

腹筋や腕立て伏せに空気イス、反復横跳びをする時間が一番嫌い。
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