呪いのブレスレット
「ぜんぜん頑張ってないよ。昨日もいつの間にか寝ちゃってたしね」

「ふ~ん」

玲奈はあたしをじっと見る。

でもあたしを見ているんじゃなくて、視線は後ろを見ている感じだ。

「なに?」

「ううん。なんでもない」

そう言ってふいに立ち上がった玲奈は、あたしの肩を強くポン!ポン!と叩いた。

「いたたたっ」

けっこう痛くてあたしは顔をしかめる。

「なによ?」

「喝を入れてあげたんだよ」

「そんなのいらないよ」

頬を膨らませたあたしを見て玲奈は笑った。

そこへ先生が入ってきた。

その日、玲奈とふたりでお弁当を食べ終えた頃、クラスメイトの馬場(ババ)ちゃんが「ねえ、聞いてー」と言って椅子を引き寄せて座った。

高校1年生から同じクラスの馬場紀子(ノリコ)は、情報通でいろいろなことを知っている。

その彼女が神妙な面持ちであたしたちを見た。

「どうしたの? 馬場ちゃん」

玲奈が首を傾げて聞く。
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