呪いのブレスレット
「今日、小杉休みだよね？　ショックで具合が悪くなったのかな」

小杉健人が休みなのを思い出した玲奈が言う。

「あ、そうだね。今日休みだ」

机に両手で頬杖をついていたあたしは相槌を打つ。

相槌を打った瞬間、小杉健人宛ての好き好きと書かれた手紙を思い出した。

「目の前で彼女が電車に轢かれたのを見たんじゃ具合も悪くなるよね。あたし、トイレ行ってくる」

玲奈は椅子から立ち上がり手を伸ばして伸びをすると、教室を出て行った。


放課後、来週の月曜から始まる期末考査のため、部活は休み。

あたしと翔平は駅前のファストフードの店で勉強していた。

小杉が気になり、生物を勉強している翔平の真剣な顔をぼんやり見ていた。

「ん？　なに？」

見ていたのが気づいていたようで、翔平は顔を上げてあたしを見た。

「あのさ、３年の女生徒の話、知ってる？」

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