呪いのブレスレット
「ううん。あたしもなんでイライラしちゃったのか……ごめんね。電話ありがとう」

『ああ。じゃあ勉強、頑張れよ。月曜日にな』

「うん。じゃあね」

電話を切ってから、両肩をぐるりと回す。

最近身体が重いな……もしかして、あたし太った?


******


週明けの月曜日、小杉はいつもと変わらない表情で教室に入ってきた。

あたしは彼が入口に立ったところから席に着くまでずっと目で追う。

「亜美? なんで小杉なんか見てるのよ」

玲奈の声にハッとなる。

そうだ。あたし、玲奈と話し中だった!

「えーっと、なんだっけ?」

慌てて視線を玲奈に戻すと、にっこり首を傾けて聞く。

「夏合宿、今回はサッカー部とテニス部が同じ日じゃない? 楽しみだねって」

テニス部だけでも楽しいのに、親友の玲奈がいたら……考えただけでもわくわくしてくる。

昼間に自由時間はないけれど、夜のレクリエーションが楽しみだ。
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