呪いのブレスレット
学校は駅の反対側。

あたしはこのまま学校へ戻るけれど、小杉はそのまま電車で自宅へ。

小杉は慣れない松葉づえでぎこちなく歩いている。

コトッ……

「伊藤、なんか落ちたぞ?」

「えっ?」

立ち止まり振り返ると、腕につけていたひかりのブレスレットが地面に落ちていた。

「あっ! ありがとう。絶対に失くせないものなの」

すぐに拾うと左手首につけて小杉に見せる。

「テグスが緩んじゃったのかな」

「赤い天然石?」

「キレイでしょう? 小杉も見たことあるよね? ひかりが身につけていたときに。褒めてくれたって喜んでたんだけど」

「ええっ!?」

あたしがひかりの名前を言った瞬間、小杉の顔からさーっと赤みが消えた気がした。

絶句した表情で、ブレスレットを見つめている。

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