呪いのブレスレット
「どうしたの? やっぱり具合悪い?」

「い、いや。それ、俺が見たのと違う色だよ。彼女のは薄いピンク色だった」

「そうなんだけど、いつの間にかこんな色になっちゃったの」

「それ気味悪いぜ。お前がなんでつけているんだよ!」

「そんなの小杉に関係ないでしょ! ひかりの形見分けでもらったんだからっ」

あたしの勢いに負けた小杉はそっぽを向いた。

「じゃあ、あたし学校へ戻るから。お大事にっ!」

あたしは持ってあげていた小杉のエナメルのバッグを渡す。

片方にエナメルバッグ、片方に松葉づえ。

大変そうだったけれど、ブレスレットのことを悪く言われたあたしは優しい気持ちもなれないまま歩き出した。

幸いなことに病院は駅の近くで、5分ほど歩けば着ける。


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