呪いのブレスレット
翔平は部活内で今のところ無敵。

でも、それが不満でもあるみたい。

団体戦が我が校は弱いのだ。

翔平に続くプレイヤーが欲しいところ。

女子部の実力は、ほぼ団子状態。

たまたまレギュラーになったけれど、今回はわからない。

試験で部活が出来なかったら、身体がなまっているし、全身の倦怠感がここのところあるから動きが鈍いはず。

「まあな。女子は混戦しそうだな。でも、頑張れよ。ランキング次第で合宿の内容も変わって来るんだからな」

「そうだったね。うん、がんばる」

そう言ったあたしの目の端に誰かがチラつく。

それを追うように視線を動かすと、誰もいない。

目の錯覚?

クルッと振り返ったあたしに翔平も習う。

「どうしたんだ?」

「今、なんか赤いものが見えたの。最近疲れ目なのかな」

あたしは目をごしごし手の甲で擦る。

「そんな乱暴に擦るなよ。傷つくだろ」

手を引っ張られ顔からはがされる。

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