呪いのブレスレット
水晶とターコイズの涼しげなブレスレットだ。

「ママ、それどうしたの?」

「あっ、きれいでしょう? 買い物に出たときに気に入って買ってきたのよ」

「いいな~」

「あら、亜美だってローズクォーツの持っているじゃない」

今朝、ポケットに入れたひかりのブレスレットを思い出す。

ポケットに手を入れてブレスレットを出してテーブルの上に置く。

「きれいなピンク色ね~ 癒されるわ」」

やっぱりママは今朝のように、これをピンク色と言う。

ママにはこの血のように赤い天然石がピンク色に見えるらしい。

それともあたしの目がおかしいの?

「今日行ったお店も似たようなのがたくさん売られていて、女子高校生が買っていくのを見たわ。このブレスレット、恋愛運が上がりそうね」

「う、うん……」

困惑するあたしは適当に頷く。

そこへ麻美がアイロンを探しに2階から下りてきた。

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