呪いのブレスレット
「あ……ごめん……」

「どうしたんだよ? 最近ぼんやりしていることが多いな」

「なんでもない。ちょっと考え事してた。あ、バッグ持ってくれてありがとう」

翔平の教室の前に到着していた。

あたしはお礼を言うと、翔平からラケットバッグを受け取った。

「じゃ、あとでな」

「うん」

翔平に軽く手を振って、隣の自分の教室に向かう。

教室に入ると、まだ早いせいか数人しか来ていない。

職員室に行ってこよう。

荷物を置くと、あたしは教室を出た。

職員室に向かうつもりだったのに、なぜか数日前に校舎の外でひかりを見た場所へ足を進めていた。

3階の廊下の一番奥のドアを開けると、そこは非常階段だ。

そこから降りれば、ひかりがいたあの場所に出られる。
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