呪いのブレスレット
「亜美、行こう」

玲奈が立ち上がり、あたしに言う。

「行こうって?」

みんなもガタガタと椅子を引いて立ちあがり教室を出て行く。

「もう、亜美ったら大丈夫? 終業式で体育館に移動でしょ」

「あ……」

あたしは慌てて立ち上がる。

「最近の亜美、変だね?」

「そうかな。行こう! みんなに置いて行かれちゃう」

あたしは勘ぐるような瞳を向ける玲奈の腕に、腕を強引に絡めて引っ張った。

体育館はすべての窓が全開していたけれど、生徒の熱気と、外の暑さでムワッと暑い。

男子生徒のワイシャツの背中に汗染みが作られていく。

あたしもこめかみに伝う汗をタオル地のハンカチでぬぐう。

「体育館、クーラーあるんだからつければいいのにね」

「そうそう。短い時間なんだから、電気代ケチらなくてもいいのに」

みんなが暑さに文句を言っている。

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