呪いのブレスレット
両腕を身体に巻きつけるようにしていると、

「なあ、お前もこの学校は呪われていると思うか?」

いつもの小杉ではないみたいに、口の中でぼそっとあたしに問いかける。

「小杉はどう思う? 偶然だと思いたいけれど、最近事故……多いよね」

「俺は――」

小杉が保健室のドアが開く音で言葉を止めた。

「亜美?」

閉ざされたカーテンの向こうから聞こえてきたのは翔平の声だ。

「翔平、入って」

カーテンを開けて入ってきた翔平は小杉を見ると、一瞬ムッとした表情になる。

「小杉が連れてきてくれたの」

不機嫌になった翔平にあたしは取り繕うように言う。

「ああ。知っている。体育館から出て行くのを見ていたから。健人、ここはもういいよ。あとは俺が」

「あ、ああ。じゃあな、佐藤。無理するなよ」

小杉は保健室を出て行った。

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