文句言いの恋
そう、何を隠そう、
私がこの会社にした理由の一つはこの人で沖縄を希望した理由はこの人だ。

あれは私が就職活動を終えた約一年前。
1年目の美和さんが人事の研修のために内定者の集まりに来ていたのだ。

まだ初々しい笑顔で笑う美和さんを可愛いと思ったが、
何か私が聞くと先輩として真剣に答えてくれ、そのときの真剣な顔は初々しさなどなかった。

そのギャップに惹かれたのかもしれない。

その集まりのとき、彼は私を他の子とは違うと評した。
それは彼にとっては別になんでもないことだったと思う。

でも私はその時、この会社で本当に良いのか迷っていたが、
この会社で生きていくと決めた。

< 5 / 16 >

この作品をシェア

pagetop