Eternal Silence
「今日は勇人が心当たりを
探しに行くと言っていた」
「そうか。
千尋君は?」
「少し疲れが出たみたいだ。
今日も大事を取って
休ませているが、
大丈夫だろう」
「そうか……」
意味深な言葉をお互いに吐き出しながら、
互いの視線をコンタクトしあう医者が二人。
その医者たちにも、
俺の姿は見えていない。
ふいに……医局内に
携帯の着信音が響く。
白衣の一人が、
ポケットから取り出したPHS。
その電話が気になって、
思わず受話器の方へと近づいて
耳を澄ませる。
『もしもし、貴方。
今、勇人から電話があって
嵩継君が見つかったって』
「そうか。
嵩継が見つかったか」
そう言った、白衣の人は
安堵したように声を発した。
『何時になってもいいから、
今日は帰ってきなさい。
そう伝えておきました』
その後、電話は切られて……
白衣の一人が、
医局を後にした。
もしや……コイツは、
鷹宮の院長?
嵩継を拾った恩人って奴か?
姿を見えないことをいいことに、
障害物を全てすり抜けて、
その人の後を歩いて行く。