Eternal Silence





白亜の洋館。




玄関を入ってすぐに、
アイツは白衣の先生の姿を見たかどうかのタイミングで
ふらりと体を傾がせた。




慌てて支えようと腕を伸ばしても、
アイツは俺の体をすり抜けて、
そのまま床へと崩れ落ちる。





『嵩継』

『嵩継さん』

『嵩継君』




ほぼ同時のようなタイミングで、
アイツの名を呼んだ
白亜の洋館の住人達によって、
運び込まれたのはアイツの部屋。





病院から慌てて持ってきた点滴を刺されて、
ベッドに寝かされたままの嵩継の
呼吸は荒くて……。







誰もいなくなったアイツの部屋。



灯りを消されたベッドサイド、
俺はアイツのベッドの端に腰掛ける。





「嵩継……。

 何やってんだよ」




絞り出る言葉は、
文句ばかり。







でも本当は違うんだ……。




アイツをここまで追い詰めて
苦しめたのは紛れもなく俺自身。







アイツの手に自分の体を
重ねるように添えて……
アイツの傍でアイツの体を抱きしめる。





今も俺の体はアイツを
すり抜けるばかり。





嵩継に触れられない今は、
俺が飛び降りた罰なのか?



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