Eternal Silence
……海斗……。
オレは……
一体……
お前の何を見てたんだろうな……。
思わず……
握りこぶしを
作った右手を
……ふるわせる……。
心の中では……
壁を一発……
ぶん殴りながら……。
オレは……
見届けるっ!!
そして……
コイツの……。
あのバカの命を
受け継いでやる。
だから……
オレに
……力を……
決意を秘めて……
閲覧していた
電子カルテを
ゆっくりと閉じた。
海斗はオレを
苦しめるために……
此処にいるじゃない。
オレもアイツを
苦しめるために……
此処にいるんじゃない。
お互いがお互いに……
相手を
必要としているから……
この場所にいるんだ……って
今は……
気がついたから……。
オレは……
お前と一緒に前に踏み出すよ。
だから……
海斗……
目を覚ませ。
起きろよ……。
待っててやっから。
翌日、仕事の復帰にしたオレは、
オレ自身の日常をこなしながら、
海斗のことも気に掛ける。
アイツの病室に向かう足取りも、
今はもう重くない。
体も心も軽くなった数日後、
水谷さんからオレのPHSに一本の連絡が入った。
あのバカの意識が覚醒したと。
その時の仕事を最後まで終えると、
アイツの病室へと猛スピードで駆けつける。
ICUのベッドの上。
意識を覚醒させたアイツは、
目を開けてオレを捕えた。
「起きたかよ、この馬鹿が。
海斗、てめぇオレから
逃げてんじゃねぇぞ。
その代り、もうオレも
お前から逃げない」
病室でそうやって告げたオレの言葉に、
まだうまく声を出せないアイツは、
静かに涙を流した。
「海斗、ったくアンタって子は……」
何度も何度も同じ言葉を紡ぎながら、
アイツの体に抱きつく、
海斗の母親。
そんなオレたちを、
水谷さんは優しく見守ってくれた。