Eternal Silence
20.手術 -海斗-
意識が回復した日から
数日が過ぎた日、
俺は病室に嵩継を呼び出した。
俺自身が蒔いた種で、
ベッドから
動かすことが出来なくなった体。
寝返り一つ打つのも
今は誰かの介助がないと
思うようにできない。
目が覚めた俺に
抱きついて来たおふくろ。
何度も何度も涙を流し続けた
おふくろ。
そんなおふくろの背中を
さすりながら過ごした時間。
改めて、今「生きてる現実」ってのを
実感しながら過ごした数日。
俺は穏やかだった。
- コンコン -
「海斗、起きてるか?」
ノック音がして、
いつものようにアイツの声が聞こえた。
「あぁ。起きてるよ。
入れよ」
俺の声を受けて、
ガラガラっと開けられた扉から
白衣姿の嵩継が姿を見せる。
「呼び出して悪い。
仕事は?」
「オペ室に入る前。
まっ、勉強させて貰ってくるさ」
「病み上がりなんだろ」
「まぁ、もう回復してるしな。
休んだ分、研修にも本腰入れないとな。
ようやく見つかった研修先だしな」
だよなぁー。
コイツ、大学教授に自慢の蹴りをおみまいして
研修させて貰える場所がなくて、
ようやく見つけた研修先だもんな。