Eternal Silence





「有難うございます。

 遅くなりましたが、
 治療の再開をお願いします」





回り道をしたけど……
今なら向き合えると思えたから。





「嵩継、付き合えよ」




ただそれだけ告げた俺に対して、
アイツは力強く頷いた。






それから数日後。

検査を重ねた後、
俺は……嵩継に見届けて貰いながら
共にグランドを駆け抜けた
想い出の片足と別れた。











後どれくらい生きれるかわからない。





だけど……
アイツを残していく俺は、
今しかアイツに
与えられないものが沢山あるはずだから。






そしてそれは他の誰でもない。




俺だけに許された
役割だから……。








最期の瞬間まで、
俺はアイツの傍で笑っていたい。







嵩継が……
笑ってこの先の未来を過ごせるために……。






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