Eternal Silence
「井津さん。
ドクターから
お話があると思います。
もう一度、救急外来へと
移動して頂いて宜しいですか?」
看護師の言葉にうなづいて、
そのまま、
最初の部屋へと移動していく。
もう一度、
アイツに似た医者に会えるかとも思ったが、
都合よく会えるはずもなく、
そのまま診察室で、話を聞いて
帰宅するに至った。
帰宅したおふくろは、
医者の話なんて聞く耳持ってないのか、
店のカウンターの中で、
ゴソゴソ動き出す。
「ってか、おふくろ。
俺がやるから。
検査の結果は異状なかったけど、
今日一日は安静にって言われたろ。
頭痛や、
吐き気が起こる可能性もあるって」
動き回るおふくろを、
何とか椅子に座らせて、
その日、初めて……店の客に、
俺が勉強してきた味を振る舞った。
おふくろの常連客にも評判は上々で、
おふくろも上機嫌。
おふくろが喜ぶ顔を見てると、
こっちまで嬉しくなる。
だけど……
俺にそう思わせてくれたのも、
アイツなんだ……。
中学生の頃。
オレは母親に反抗して、
迷惑ばっかかけてた。
母親は、ことあるごとに
謝罪ばかりで、
みっともなくて。
信じて貰えない怒りは、
更にエスカレートして、
高校一年生。
不良グループに入って、
更に、おふくろを困らせた。
アイツと出会ったのは……
他の高校のヤツに喧嘩で
ボコボコに殴られた夜。
公園で蹲って、
動けなくなった
俺に気が付いて、
アイツは声をかけた。
アイツの家に連れられて、
近所の医院で手当てを受けると、
そのまま、隣の家の
氷夢華の親父さんに車を出して貰って
俺は自宅へと送り届けられた。
そこでも、
おふくろはペコペコ謝りまくって
そんな姿にイラついて、
おふくろを罵倒した直後。