Eternal Silence




「なぁ、嵩継。

 俺……やりたいことがあるんだ。
 庭で……バーベキューしてもいいかな?

 お世話になった人たち呼んでさ」


「おぉ、バーベキューな。

 病室でバーベキューは怒られるだろうが、
 今はケアセンターだからな。

 こっちなら許可貰えるだろ」



そう言うと嵩継は、
その場で電話を取り出して何処かに電話をかける。


電話の向こうは……
嵩継が尊敬してるここの院長らしかった。



『有難うございます』



そうやって電話を切った嵩継は、
俺にピ-スサイン。



「買い出し。買い出しが必要だよな。

 やっぱ、勇人しかいないよな」


そう言うと、アイツはまた電話を取り出して
呼びつける。





嵩継の電話で召喚された、
アイツに連れられて……
三人で近所のスーパーまで買い物に出掛けた。




そして帰り道、俺は……
もう戻ることのない店に立ち寄る。





嵩継に頼んで店から取って来て貰ったのは、
俺の相棒でもある包丁。





材料は買った。




その日……夕食にあわせて、
ケアセンターのキッチンを使って、
感謝の気持ちで、最後の料理を作る。





懐石料理。




作れるかどうかは自信がなかったから、
バーベキューは失敗した時の予備ってことで。




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