Eternal Silence
★
数日後。
病棟を回っていたオレのPHSが震える。
連絡してきたのは、
ケアセンターのスタッフ。
一緒にまわっていた、
成元御大の許可を得て
アイツが待つケアセンターへと
駆け出していく。
ケアセンターの
アイツの部屋に駆け込んだオレは、
白衣を脱ぎ捨てて、
アイツの傍に座り込んで
海斗の手を握った。
モニターに映し出される
心電図の波形は、少しずつ変化して
最後の時が近づいていることを告げる。
やがて……そのモニターが映し出す
波形が一直線になった時……
海斗の命が旅立ったことを知った。
掌越しに伝わるアイツの感触は、
まだこんなにも暖かいのに……
アイツはもう動かない。
残された時間を
精一杯生き抜いて……
天国へと旅立ったから。
ゆっくりとドアが開いて、
オレの肩に触れた存在。
その人は……
床に落とした白衣を拾い上げて、
オレに羽織らせた。