Eternal Silence
エピローグ
三か月後。
外来を終えた
オレの診察室の前のソファーに
海斗の母親が座ってた。
「おばさん」
軽く駆け寄ったオレに
おばさんは、ゆっくりと頭を下げた。
「水谷さんに連れて来て貰ったの」
「とりあえず、立ち話もなんですし……
喫茶店くらいしかないですけど、
行きませんか?
オレも今から昼休みなんで」
そう言って、立ち寄った医局に白衣を脱ぎ捨てると
おばさんと一緒に二階の喫茶室へと入室した。
「嵩継君、有難う。
あの子が旅立って、もう三か月も経つのに
今もあの子が近くにいるような気がしてね」
おばさんは、そう言って
窓から空を見上げた。
「オレもそんな感覚ですよ。
でも……アイツ、寂しがり屋だから
ちょくちょく降りてこないと
アイツの身が持たないのかも知れませんよ。
オレ的には大歓迎ですけど」
「あららっ。
おばさんも……そうだったら嬉しいわ」
そうやって微笑む。
「ただ……寂しがり屋のアイツが
おばさんを呼びに来ても、
おばさんはついて行かないでくださいよ。
おばさんのことは……
オレがきっちりしますから。
なんかあったら、
息子代わりに召喚してください。
まぁ、こんな仕事してるんで
常に行けるとか限んないのが
マズイですけどね」