Eternal Silence
短編集

願い星








空を見るのは好き。







氷夢華の家の
裏庭にテントを張って、
ゴロリと空を見上げる。








そんな時間が……好きだった。










「たかお兄ちゃんっ!!」




嵩継の家の隣、
アイツにベッタリのチビが
家の中から飛び出してくる。



そんなチビをしゃがみこんで、
ギュッと抱き寄せたアイツは
そのチビの柔らかい髪をワシャワシャと
撫でつけた。





「もうっ。たかお兄ちゃんのバカ。
 そんなことしたら、氷夢華の髪が
 ぐしゃぐしゃになるでしょ」



必死に睨みつけるように嵩継に立ち向かうも、
チビはアイツの身長の半分くらい。




「悪かった。悪かった。

 氷夢華、小父さんと小母さんいるか?」




嵩継は、チビをそうやって宥めながら
チビの家の中に入っていく。




嵩継がチビの親と話している間、
家の中から飛び出してきたチビが
俺の足を靴越しに踏みつける。



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