Eternal Silence
『こちらの病院の関係者の方ですね。
患者さんが病院の屋上から
飛び降り自殺をしたと言うのは
本当のことでしょうか?』
『もしそれが
本当だったとしたら、
当然、病院側の
管理不足が問われますよね?』
『答えてくださいよ。
もしかして、
医療ミスを隠す為に
患者を屋上から
突き落としたりしてないでしょうね?
自殺に見せかける為にさ』
『やましいことがなければ、
今、ここで真実を話せるはずですよね』
容赦なく
浴びせられる質問。
そして罵声に
近い誹謗と中傷の声。
「当病院長の息子。
鷹宮千尋です。
お忙しい中、
当病院にお集まり
頂いていますが
父は現在、
オペ中で会見に
臨むことは出来ません。
真実を伝えることが
報道の仕事と
仰るのでしたら、
どうぞ真実のままに
お伝えください。
後ほど病院長に
記者会見を開くように
伝えておきます。
ですから
今はどうぞお引き取り頂くか、
控室をご用意いたしますので
そちらでお休みください。
記者会見の仕度が出来ましたら、
こちらからお知らせさせて頂きます」
僕は一言一句……
ゆっくりと
トーンをさげて伝えると
院内にいる事務長を手招きして
呼び寄せると、マスコミ各社を
待機室に案内するように指示する。
事務長はすぐに
事務員に指示をすると、
マスメディアは
ざわざわと事務員の後に並んだ。
それを見届けて
僕も勇人たちに
合流するため、
事務長とエレベーターの方に
足を急がせる。